大阪維新の会が改革を進める理由

9月3日の本会議において以下の項目で代表質問を務めました。

      *代表質問とは議会のルールで2回以内の質疑(市長は1回)で
      竹山市長や各局長に政策の考え方を伺い、
      各政党が方向性を示す役割を与えられています。
細かな質問や追及は後に続く質疑者と、専門の委員会で質疑をおこないます。

以下、長文ですが議事録のような形で掲載します。
なお、代表質問は時間短縮のため、何項目か一括で質問をして
担当局長がその項目について一括で答えますので、
少し見にくいかもしれませんがご容赦ください。

おはようございます、大阪維新の会の黒田征樹です。
今議会は平成29年度に堺市が扱った、予算ベースで7000憶円を超える
全会計の決算について議論をするということで、大阪維新の会を代表して
ご質問させていただきます。

前回は市長選直後の本会議において代表質問方式でやらせていただき、
市長選挙から一年を迎える今議会。
どちらも節目の本会議で代表質問に立たせていただくということで、
大阪維新の会の改革の旗をしっかりと立てていきたいと思います。

今回の代表質問は「納税の納得感」と「一燈照隅 万燈照国」を意識して
進めていきたいと考えております。

まず、「納税の納得感」について。
人口減少・少子高齢化に伴い、今後も国や全国の都道府県・市町村の
収入は減り、支出は増え続けていき、今の制度のままだと借金をするか、
増税をするか、サービスを縮小するか、いずれかを選択しないといけない
局面を迎えます。

そんな中で大阪維新の会は「まずは政治家が身を切る改革をおこなう」
ということを公約に掲げ、全国で維新のメンバーが身を切る改革を実践しており、
当然、我々堺市議団も報酬の2割を被災地に寄付し続けております。

一部では「市全体の予算からすると大した金額ではない」というご意見もありますが、
それは全く違います。

市民や次世代に負担を求める前に、まずは税金をいただき、
ルールを作る側である政治家が改革を進める覚悟を示した上で、
市民が求める行財政改革に取り組むことで納税の納得感につながると考えております。

そして「一燈照隅 万燈照国」という言葉は天台宗の開祖として知られている
最澄が遺した言葉だと言われておりますが
「ひとつの燈火は一つの隅しか照らさないが万燈は国を照らします。
一人一人がひとつの隅を照らしていけばその国は明るくなります」という意味で、

今日は市民の代理人である議会議員として「一人ひとりがこれまで以上に
輝けるような社会を目指す」という視点に立って施策を提案していきたいですし、

一人の堺市民としてこれまでの取り組んできたことと、これからやるべきことも
含めて話を進めていきたいと考えておりますのでよろしくお願いします。

それでは質問に入らせていただきます。

質問1
財政(問1)
まず「堺市の財政について」ですが、人口減少、少子化、高齢化が
財政に与える影響については堺市議会のみならず全国の市町村、都道府県、
国会で議論がなされている話であり、国全体が同じ課題を抱える中で
これまでの堺市の財政構造をトレンドで見ると、どの様に推移しているのか。

また堺市が中長期の財政シミュレーションを立てる上で
試算の前提としている内容が、今述べたような社会的背景に合致しているのかの
検証が必要だと考えております。

そこでお聞きします、

堺市の財政構造とトレンド、時代背景、今後の見通しについて、どのように考えているか。
また、本市に限らず、全国的に臨時財政対策債が増加傾向にあり、
健全な財政運営ができるかどうか懸念を持っているが、
今後の財政運営についてどのように考えているかお聞かせください。

産業(問1)
次に、歳入の確保について」ですが、
平成29年度堺市決算における歳入の内訳をみると、市税収入など堺市が自力で稼ぐ
自主財源が40.1%、市債と国や大阪府からの支出金など、自力で稼ぐ以外の
依存財源が59.9となっておりますが、先ほど述べたような社会的背景がある中で、
自主財源の比率を上げる必要があると考えております。
そのための方法は様々ありますが、まずは堺市の産業政策についてお聞きします。

堺市は、臨海部を中心とする重化学工業や先端産業に加え、高いものづくりの技術を有する
中小企業が多数立地するなど、素材から加工、組み立てまでの幅広い分野にわたる、
ものづくり企業が集積する全国屈指の産業都市であり、堺市の持続的な発展に向けて、
基幹産業であるものづくり産業中心に施策を展開してきましたが、
その取り組みは間違ったものではないと思いますし、実際に雇用の創出や税収の確保
に成果を上げているのは理解しております。

しかし、本日議論したいのは、第4次産業革命と言われ急速に技術革新が進む中で、
今後の産業政策をどうしていくべきなのかということで、その前提として
堺市の産業構造とその変化ついて、どのように認識しているのかお聞かせください。

観光(問1)
市税収入の比率を上げるための議論として次は観光政策を取り上げていきます。
観光政策についてはこれまで何度も議論してきましたが、その中で現状分析や
マーケティングの必要性と分析に基づいた戦略が必要だと言い続けてきましたが、
まずは観光政策を進める目的と今後の戦略についてお聞かせください。

ハコモノ(問1
次は歳出について話を進めていきますが、単に歳出抑制の議論ではなく、
歳出の大半は市民サービスに寄与しているところは理解しつつも、
一部の税金の使い方について市民の納得を得られているかというところに
視点を置いていきたいと思います。

その中で今回取り上げたハコモノですが、教育施設や文化施設、安全・安心や
福祉に関する施設など市民が必要とする施設があることも理解しています。

しかし、あらゆる公共施設や公共インフラを支える人口が全国的に減少していく中で、
各自治体では、公共施設等の老朽化対策や施設更新のあり方等が大きな課題となっています。

そこでお聞きします、堺市にも公共施設を管理するための計画がありますが、
その計画を策定したその背景と目的についてお聞かせください。

ICT(問1)
歳出について、堺市行政の業務効率化についてお尋ねします。
先ほどから述べている財政問題以外に、多様化する市民ニーズに対応するために、
限られた経営資源のもと、効率的で効果的な事務執行が求められています。

業務効率化に向けた取組については、平成30年度から平成32年度を計画期間とする
「第3期行財政改革プログラム」の中でICTの積極的な活用により、
仕事のやり方を改善し、費用対効果の高い行政運営を目指すとあります。

12月に僕が行った大綱質疑においてもICTの活用についてお聞きしましたが、
その時はSNSとかVR技術を活用した映像体験を実施などICTの活用とは、
かけ離れた答弁をいただきました。
そこから、何がどう変わったかも含めてICTの活用について、
これまでの取り組み状況をお聞かせください。

SDGs(問1)
次にSDGs未来都市推進に向けた堺市の取り組みについてお聞きします。
まず、SDGsとは「誰一人取り残さない」という理念のもと、持続可能で
多様性と包摂性のある社会の実現のために、20159月の国連サミットにおいて
全会一致で採択された2030年を年限とする17の国際目標であり、
1.普遍性 先進国を含め,全ての国が行動
2.包摂性 人間の安全保障の理念を反映し「誰一人取り残さない」
3.参画型 全てのステークホルダーが役割を
4.統合性 社会・経済・環境に統合的に取り組む
5.透明性 定期的にフォローアップ
という5つの特徴を持つもので、外務省の資料でも冒頭に
「SDGsを通じて,豊かで活力ある未来を創る」と掲げています。

平成29年度決算で示された堺市の各施策も当然SDGsの観点を持って推進してきたもの
と認識しておりますが、本年6月堺市は国から「SDGs未来都市」に選定されたが、
我が国の「SDGs未来都市」とはどのようなものかお聞かせください。

市長(問1)

最後に市長にお聞き致します。
先ほどから述べておりますように、現在の日本国は、財政状況の悪化や少子高齢化・人口減少が急速な進展など、さまざまな課題も存在しています。このような状況の中、各都市の課題解決に向けた取組みは非常に重要であり、各地域の活性化は、国全体の活力にも繋がるもので、それが「一燈照隅 万燈照国」であると考えています。そして、我が国の都市の中でも権限と財源が与えられた政令指定都市は、他都市は異なり、国全体に大きな影響を与える、責任ある都市だと考えています。そこで、堺市は今後どのような役割を果たし、どのようなことに取組んでいくのかお聞かせください。

答弁1
市長(答1)
政令指定都市は、圏域における中枢都市として、わが国を牽引するエンジンとなり、
日本経済の再生及び地方創生、一億層活躍社会の実現に向けて、先駆的かつ先導的役割を
果たすことが不可欠。

本市においては「基礎自治体優先の原則」にたち、基礎自治体機能の充実強化を図るため、
住民に身近な「子育て・教育」、「福祉・健康」、「まちづくり」、「安全・安心」
などの権限・財源のさらなる移譲をすすめるとともに、「都市内分権」による住民自治の
さらなる充実を図ってまいる。

併せて、急激に進展する人口縮減社会の中で、とくに南大阪地域におけるさまざまな
行政分野の課題解決に向けた自治体間連携の中核的な役割を果たし、圏域全体の発展を
牽引してまいる。

とくにこれからは、都市として「安全・安心の確保」こそが、最優先すべき施策であると考える。
「安全」は、防災、防犯、「安心」は、子育て、教育、健康、福祉など。すべての人が安心して
暮らすことのできる、だれからも選ばれる都市づくりをめざして、これらの施策を積極的に
推進してまいる。

財政(答1)
歳入の3割以上を占める市税収入について、近年では平成20年のリーマンショックの影響
による落ち込みはあったが、中長期的に見て増加傾向にある。
しかしながら、本市は、扶助費の割合が他政令市と比較して相対的に高く、全国的な
少子高齢化や人口減少社会の中において、今後も社会保障関係費の増加が見込まれる。

平成29年度の各会計決算は、前年度に引き続き、実質収支・資金剰余額の黒字を確保し、
健全化判断比率についても、早期健全化基準を大きく下回っている。
一方、財政構造の弾力性を表す指標である経常収支比率は、平成29年度決算において
前年度から0.3%増加し、97.7%となり、本市の財政運営の見通しは楽観視できる状況ではない

財政運営にあたっては、中長期的な財政の健全性を保つため、
中長期財政収支見込みを策定しているが、その際は、国の動向や社会情勢等を踏まえて
検証を行っている。あわせて、市税や財産収入等の自主財源の充実、義務的経費の比率を
抑えるなど、歳入歳出の両面から財政構造の改革を進め、持続可能な財政運営に努めてまいりたい。

なお、臨時財政対策債については、平成29年度決算における残高が1,9348,0001千円と
なっているが、その元利償還金については、国会において、総務大臣が国において
財源を保障する旨の答弁をしているところである。

産業(答1)
本市の産業別の付加価値額割合は、平成28年の経済センサスによると、
「製造業」が32.8%と最も多くを占めており、「卸売業・小売業」が17.8%、
「医療・福祉」が12.1%と続く。
一方、全国平均では、「卸売業・小売業」が21.2%、「製造業」が20.3%、
「医療・福祉」が7.7%となっており、本市の「製造業」については全国平均を
10%以上上回る大きな割合を占め、多くの付加価値を創出する基幹産業となっている。

次に、市内事業所における産業別従業者数は、平成24年の経済センサスによると、
「卸売業・小売業」が約59,500人、「製造業」が約58,200人、
「医療・福祉」が約48,000人であったが、平成28年には、「卸売業・小売業」は
3,300人以上増加し約62,900人に、「医療・福祉」は11,000人以上増加し
約58,900人に、「製造業」は微増し約58,600人となっており、
いわゆる労働集約型産業において従業者数が増加し、雇用を担う産業構造の
変化が進んでいるものと認識している。

観光(答1)
観光政策の推進は、市内の消費喚起のほか、雇用の促進や産業の活性化に寄与するものであり、
また、堺が誇る歴史、文化などを国内外へ発信し、観光客にその魅力を感じてもらうことは、
シビックプライドの醸成にも繋がるものと考えている。

今後も、国内はもとより、増加する海外の観光客のニーズに対応していくうえでは、
「見る」「食べる」「買う」の要素が必要不可欠であり、また「コト消費」が増加している
今日では、「体験する」要素もますます重要となってくると認識している。

百舌鳥古墳群、伝統産業などの歴史・文化資源や、さかい利晶の杜などでの茶の湯体験、
さらには市内のグルメなどの堺の魅力を発信し、観光客の誘客や消費拡大を図ってまいりたい。

さらには、KIX泉州ツーリズムビューローや泉州の経済団体、そして大阪観光局とも連携し、
堺そして泉州地域での長期滞在に取り組んでまいりたい。

ハコモノ(答1)
高度経済成長や人口増加を背景に整備・拡充してきた本市の公共施設等の多くが
更新時期を迎えようとしており、その更新や大規模な改修について大きな財政負担が見込まれる。
さらには、人口減少や人口構成の変化等により公共施設等の利用需要の変化も予想されている。

こうした中にあって、長期的な視点から公共施設の更新・統廃合・長寿命化などを
計画的に取り組み、もって財政負担の軽減・平準化や公共施設等の最適な配置を実現するため、
公共施設の維持・管理に関する基本的な考え方を示した「堺市公共施設等総合管理計画」を
平成28年8月に策定したところ。

ICT(答1)
本市ではこれまで、ICTを有効に活用するため、庁内ネットワークの構築や
1人1台のパソコン環境の整備、さらに、多数の業務システムを集約して搭載
できる情報システム統合基盤の導入など、全庁的なシステム基盤を整備してきました。

また、これらの基盤を活用し、窓口業務や内部事務などを処理するための100を超える
システムを構築することで、市民サービスの向上や事務の効率化を図ってまいりました。

さらに、現在では、RPAやAIといった最新技術を含め、他自治体のほか国や民間企業の
動向を注視しながら、さらなるICTの活用に向けて検討・検証を行っているところです。

SDGs(答1)
SDGs未来都市とは、持続可能な開発目標(SDGs)の推進に向け、内閣総理大臣を本部長とする
「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」において、自治体によるSDGsの達成に向けた取組を
推進するために新たに創設されたもの。

国は、平成302月、優れた取組を提案する都市を「SDGs未来都市」として、
最大30程度選定する公募を実施した。

本市では、国の公募に対して、人口減少や高齢化などの地域課題解決をめざす提案を行い、
平成30年6月、本市を含む全国の29都市が「SDGs未来都市」に選定されたところ。

質問2
市長答弁、財政局長答弁を受けて
市長から人口減少に伴う様々な行政分野の課題解決に向けて、きれいな言葉が並んだ
お答えをいただきましたが、先駆的だけでなく独自性が大切だと思っており、
そういったところが各局に落とし込まれているのか確認をしていきたいと思います。

堺市の財政状況について財政局長からお答えをいただきました。
今後も社会保障費は増加し、収入と固定経費の割合を示す経常収支比率も年々増加
さらに本来国が市町村、都道府県に払うべきお金を払わず、その分を各自治体の名義で
借金をさせられている臨時財政対策債。
当初、平成13年度から平成15年度までの3か年の臨時的措置として導入された
地方債でありましたが、国において地方交付税の原資不足が解消されないことから、
現在に至るまでその措置は延長され続けており、堺市だけでも平成29年度決算において
1934
憶円も積みあがっており、国全体で見ると近年は毎年一兆円ペースで膨らみ、
平成29年度推計で53兆円を超えている現状です。

こういったいびつな構造の中で膨らみ続けた莫大な借金に対して、
国が払うという国会答弁や国に対しての要望活動だけでは市民の不安の払しょくには
つながらないと考えています。

ですから、大阪維新の会は結党以来、日本が抱える社会問題を解決するための手法として、
日本の行政機構の改革と既得権益の打破を訴え、挑戦を続けています。

行政は決められた制度の中でしか仕事ができませんが、時代に合わない制度を変えていくのが
政治家の仕事だと考えておりますので、我が国をけん引するという役割を担った堺市の市長として
制度改革にも積極的に取り組んでいただきたいと思います。

産業(問2)
産業振興局長からは堺市の産業構造で大きな割合を占め、基幹産業となっているのが製造業
だとお聞かせいただき、また、堺市の産業構造を経年のトレンドで見ると、
売上高に対する人件費の比率が高くなる労働集約型産業の割合が増え、産業構造が変化
しているともお答えをいただきました。

しかし、労働集約型産業は機械化やシステム化により人手がかからなくなると、
さらに産業構造が変わるということも想定しなくてはいけません。

このように大きく変化する時代にあって、将来にわたり堺市の産業が
持続的に発展するためにどのように施策展開をしていくのかお聞かせください。

観光(問2)
文化観光局長から観光政策の目的と戦略についてお答えをいただきました。
観光政策は経済の活性化と人が集まることで地元愛の醸成になり、
また、見る、食べる、買う、に加え、体験する要素が重要で、
それらを踏まえて百舌鳥古墳群、伝統産業などの歴史・文化資源や、
利晶の杜などでの茶の湯体験、グルメなどの堺の魅力を発信し、
さらに大阪観光局や泉州地域と連携して観光政策に取り組むということです。

しかし、これまで堺市の観光政策は堺区周辺に偏ったものでありますが、
堺区以外でも観光に資する資源がたくさんあります。
堺市内の各地域が持つ魅力の発信についてどのように考えているのかお聞かせください。

ハコモノ(問2)
財政局長からこれまで整備・拡充してきた公共施設等の更新について
大きな財政負担が見込まれる。さらには、人口減少と人口構成の変化等により
公共施設等の利用需要の変化も予想される中で、長期的な視点から公共施設の
更新・統廃合・長寿命化などを計画的に取り組むために「堺市公共施設等総合管理計画」
を平成28年8月に策定したとありました。

しかし、経常収支比率が増加。
すなわち財政の硬直化が進むなか、堺市民芸術文化ホールや百舌鳥古墳群ガイダンス施設
といったハコモノ施設の建設で今後の財政が健全に維持できるのかどうか懸念しています。

市民にとって真に必要な施設整備は行うとしても、今後の財政状況や社会経済情勢等を見込んで、
市民ニーズを捉えたうえで整備を進めているのか。

また、先ほどの堺市公共施設等総合管理計画で見込んでいる改修費用等を加味しても、
財政の健全性を今後も維持することはできるのかお聞かせください。

ICT(問2)
総務局長からは、これまでの取り組みについてお答えをいただきましたが、
まだまだ積極的に最新技術を取り入れてきた自治体だという印象はありません。

例えば千葉市では、2014年から「ちば市民協働レポート」という施策を実施しております。
これは市民が道路や公園、ごみなど、地域の不具合を見つけたらスマートフォンで撮影して
通報し、市が迅速に問題解決を図るという、市民協働のためのまちづくり施策で、
24
時間通報を受け付けており、市民の投稿もネット上に可視化し、自身が投稿した課題は
修繕の進捗状況も確認できるようになっています。

これは、行政の動きをガラス張りにする効果があり、市でも地域の不具合をシステム上で
迅速かつ一元的に把握でき、修繕管理システムとして活用できるメリットがあり、
また、市民と職員がコミュニティの問題にプロアクティブにかかわることで、
ともに住みやすく安全なまちづくりを考え、主体的に行動する意識改革にも
つながる仕組みになっています。

また、千葉市では政府のマイナンバー制度利活用推進ロードマップの流れを先取りし、
コンビニでの証明書発行をしているほか、図書館での図書貸出をマイナンバーカードで
行うサービスを開始しています。なお、職員がカードに触れない運用を確立するなど、
個人情報の漏えいなどに不安を持っておられる方々にも十分な配慮を行っているそうです。

このようなICT推進施策は行政サービスのデジタル化は、単純なコストカットを
目指したものではなく、自治体における情報のブラックボックス化を解消し、
市民の利便性を高め、対応する職員の生産性を向上させることで、
新たな市民サービスに人やお金を再配分していくことに主眼が置かれています。

これらの施策について千葉の熊谷市長は市民に時間を返す行政改革の一環だと述べておられます。

このように他都市では行政コストを抑えながら利便性を向上させるために
様々な取り組みが行われていますが、堺市は今後さらなるICTの活用の推進について、
どのような手法・体制で取り組むのかお聞かせください。

SDGs(問2)
市長公室長から堺市がSDGsの達成に向けた取り組みを提案し「SDGs未来都市」に
選定されたとお答えをいただきました。

先日当局が発表された「堺市SDGs未来都市計画(案)」に人口減少や高齢化など今後取り組むべき課題や取り組み、そして堺市の2030年のあるべき姿について「まちの賑わいが人や企業を呼び込み、更なる産業の振興につながるなど、持続的に発展するまちが実現されている」とありますが、今後、このあるべき姿に向けてどのように取り組んでいくのかお聞かせください。

答弁2
産業(答2)
生産年齢人口の減少をはじめ、第四次産業革命と呼ばれる人工知能やIoT、
ロボットなどの新技術革新、働き方改革の推進、訪日外国人の増加など、
社会経済情勢が大きく変化する中にあって、本市産業が持続的に発展していくためには、
これら社会経済情勢や産業構造の変化に柔軟に対応できる企業へと成長を促すことが重要である。

中小企業については、企業経営をしっかりと下支えし、生産性の向上を図るとともに、
成長産業分野への進出や第二創業など新たな事業展開を積極的に応援しながら、
付加価値の高い製品や技術の創出を図り、地域を牽引するリーディング企業への転換を促してまいる。

併せて、新たな企業立地のほか、研究開発機能の強化や成長産業分野への進出など、
企業の競争力を高める将来に向けた投資を誘導するとともに、本社や研究所といった
企業の中枢機能に係る投資を誘導することにより、市内企業の高付加価値化や永続性を
高める拠点化を図ってまいる。

引き続き、行政として時代の変化や情報を機敏に捉えながら、従来の枠組みや発想にとらわれず、
健康・医療産業やIT、サービス関連など、幅広い産業分野において、企業の積極的な事業展開や
企業間のマッチング、産学連携等を促進することにより、人・企業・技術・情報・モノが集まり
イノベーションが絶えず生まれる、地域経済の好循環の創出を図ってまいる。

観光(答2)
堺には堺区以外にも、土塔や黒姫山古墳、上神谷のこおどりやだんじり、ふとん太鼓など、
世界に誇るべき歴史文化資源が各区に脈々と受け継がれている。
こういった堺区以外の各資源もしっかり発信するとともに、テーマや四季などに応じた
ツアーを造成するなど、各区への誘客及び周遊に取り組んでまいりたい。

また、西高野街道で繋がる世界遺産の町・高野町や、南海電鉄などとも連携し、
両市町への誘客促進、さらには街道沿線への誘客にも努めてまいりたい。

ハコモノ(答2)
本市では平成282月に、平成37年度までの中長期財政収支見込みを取りまとめ公表したところ。
策定に当たっては、堺市公共施設等総合管理計画や税制改正、国の中長期経済財政に関する試算、
社会経済情勢の変化等を踏まえつつ、堺市マスタープランの後期実施計画に掲載された
堺市民芸術文化ホール等の事業の進捗状況などを反映している。

中長期的には、平成31年度までは普通建設事業の集中などにより、厳しい財政状況となる見込み
であるが、それ以降は普通建設事業のピークを越えることなどにより財政収支の均衡を確保できる
見込みとなっている。

また、普通建設事業の進捗により影響を受ける健全化判断比率についても、平成37年度までの間、
良好な値で推移するものと見込んでおり、引き続き市債残高の推移などにも留意しながら、
財政の健全性を維持しつつ、本市の発展に必要な施策、事業に計画的に取り組んでまいる。

ICT(答2)
ICTは、業務の効率化などによる「歳出の削減」だけでなく、「市民サービスの向上」や
「働き方改革」など、様々な分野で有効な手段になるものと認識しています。

そのため本市では、ICTを有効に活用するための全庁的なシステム基盤の構築は総務局が
担う一方、その基盤を活用した各業務を処理するためのシステム導入については、
業務に精通した所管局を総務局が支援するという手法で取り組んでまいりました。

今後も、ICTの活用については、総務局と業務所管局とが適切に連携し、
一層の推進に努めてまいります。

SDGs(答2)
本市が推進する「堺・3つの挑戦」「市民が安心、元気なまちづくり」「都市内分権の推進」
をはじめとする取組は、持続可能な社会の実現をめざすSDGs推進の方向性と合致している。

今後とも「誰一人取り残さない社会の実現」を理念としたSDGsの視点を持って、
堺市マスタープランを着実に推進し、各施策や事業を一層進めてまいる。
加えて、1つの部局にとらわれず、様々な部局と連携し、経済、社会、環境の
各側面における更なる相乗効果を発揮しながら、SDGs達成に努めてまいる。

提案・締め括り
産業
産業振興局長から社会経済情勢や産業構造の変化に柔軟に対応できる企業へと成長を促すことが重要であり、中小企業については、リーディング企業への転換を促し、新たな企業立地と市内企業の高付加価値化や永続性を高める拠点化を図っていき、そのために時代の変化や情報を機敏に捉えながら、従来の枠組みや発想にとらわれず、幅広い産業分野において人・企業・技術・情報・モノが集まりイノベーションが絶えず生まれる、地域経済の好循環の創出を図っていくとのお答えがありました。

新しい3層の産業構造とありますが、
堺市は地上と書かれている製造業の部分において強さを発揮していますが、ICT=情報・
通信に関する技術の世界では堺のみならず日本が遅れているのが現状で、日本の製造業は
制空権を握られた状態だということですが、今後は設備投資などからイノベーション、
知識労働のための人材が競争力と付加価値の源泉になっていきます。

そのためにこれからの産業政策は制空権を取りに行くためのプログラミングの技術者の養成や、
そういった企業誘致に力を入れて、今ある製造業が低空のIoTの分野で優位に立てる環境の整備を
していただきたいと思います。

その環境の整備とは減税とかだけではなく別のインセンティブが必要だと考えており、
最初の磁石として堺市がどういう産業構造を目指すのかという意思を示す必要がありますので、
今後、明確ビジョンを示していただきたいと思います。
また、様々な分野で情報を収集するために東京事務所に具体的なオーダー・ミッションを
出していただいて密な連携をお願いしたいと思います。

観光
文化観光局長からは堺区以外の各資源の発信と、各区への誘客及び周遊に取り組みむと
お答えをいただきました。

これからの観光は光を観るから光を魅せる意識が大切です。
高野町との連携の話が出る前から、北野田周辺の飲食店と連携をして高野山に訪れる外国人観光客、
特に欧米人の動線に目を付けて誘客に向けた取り組みとして、
多少英語対応した食べ歩きマップの作成などアイデアを出し合っていました。

北野田は急行停車駅で難波まで20分、地元民が集まり、ドアを開けなくても入れるお店や
飲食店同士のメニューシェアなど堺東にはない欧米人にウケそうな魅力がある。
ベッドタウンでホテルはないので高野山の帰りにご飯を食べてもらい、ホテルは違う場所で。

仕掛けや動線があれば民間の事業者は積極的に取り組んでくれます。
また、今は様々な情報発信ツールがあります。
それぞれの地域が光を放つことによって、それがひいては堺市の観光客の増加につながると
思いますので、今後はランドマーク型の観光だけではなく、それぞれの地域の魅力と
地理的な優位性を見出して発信と誘客に努めていただきたいと思います。

ハコモノ
財政局長からハコモノの維持管理において平成37年度までの間、経常収支比率は良好な値で
推移するものと見込んでいるとお答えをいただきましたが、堺市公共施設等総合管理計画の中で
長寿命化をおこなっても年間10億円の不足が出るとも示されており、施設総量の削減に
ついても明記されています。

その施設総量の最適化を図る中で明記しているのが、
①行政需要の変化を想定した施設規模
少子高齢化の進展による人口構成の変化に伴う市民ニーズの多様化や、公共施設の更新にかかる
財政負担などに対応していく必要があります。施設のあり方を慎重に検討し、将来の人口動態や
人口構成を踏まえて公共施設の総量を縮減しつつも、効率的な利活用や長寿命化に取り組み、
将来の市民ニーズに対応した最適な施設規模をめざしていきます。

②統廃合、再配置、他用途への転換及び複合機能化の推進
将来の市民ニーズに対応した最適な施設規模をめざすため、公共施設の望ましいあり方を検討・
選択し、施設ありきではなく機能性を重視して、統廃合、再配置、他用途への転換、
複合機能化など、効率的な利活用を計画的に推進します。

③広域連携や公民連携によるフルセット主義からの脱却
あらゆる用途の施設を全て自前で整備するフルセット主義を前提とするのではなく
近隣市と公有財産(施設等)を相互利用するなどの基礎自治体間の広域的な連携や、
民間との連携による民間施設を活用した公共サービスの提供なども検討し、幅広い視点から
市民ニーズに対応していきます。

こういった計画を推進するために改革のチャンスである建物の更新時期において人口減少もお構いなしにサイズアップした市民会館と新たに数十億かけて建設するガイダンス施設など、お金じゃない部分も理解していますが、今はこの計画が絵に描いた餅になっているんじゃないかと思っています。

市民が納税の納得感を得るには整備・運営費と必要性のバランスが大切

例えばこの文化観光の拠点として35億円をかけて整備された利晶の杜。
毎年2億円以上の経費がかかっていますが、開館当初から入館者数が減り続けております。

当局にこの現状をお聞きすると「長らく活用されてこなかった旧堺市民病院や周辺地域にも多くの来訪者が訪れており、施設全体としてまちの賑わいの創出に寄与しているものと認識している」ということですが、病院跡地と比較してマシになったでしょ?と言われても税金の使い方として納得できるものではありません。

今の時代は計画や運営方法が大きく問われています。
そもそも、ハコモノを建てたからといって人が集まるわけではありませんし、
2、3年で建て替るものでもなく、影響と効果は大変長いものになる。

だからこそ次世代をどう見据えて、何を次世代にもたらしていくのか
中長期のまちづくりと関連付けなければいけません。

今後は市民の納税の納得感を意識して、堺市公共施設等総合管理計画が
絵に描いた餅にならないように施設の在り方を見直してしていただきたいと思います。

ICT
総務局長からはICTの認識とこれまでの取り組み体制についてお答えをいただきましたが、
ICTを推進するためには体制の構築が大切です。
堺市行政情報化指針を見てもだれがどのように進めるのか明記されていません。

堺市は各局の意見を聞いて進めていくということですが、各局、各職員の通常業務の中に、
「ICTを推進する」というものが含まれていない現状では、どうしても今の自分の業務に
軸足を置きがちで、また当事者であれば業務の在り方が変えられることを避ける傾向にあります。

しかし、今後スマートフォンをはじめとしたネットワークに接続される電子機器(IoT)は、低廉化と普及がすすみ、2020 年までに500 億台を超えると見積られておりまして、これらの電子機器が生成する大量のデータを収集・分析し業務に活かすことで、業務の効率化や市民サービスの向上が期待されており、強力に推進しなくてはいけません。

そこで先ほど述べた、市民に時間をお返しすることや市民参加に寄与するICT について、
統括的に ICT を推進するための核となるICT戦略室を設置して全庁横断的に
議論していただきたいと思います。

そして、堺市はICT でできることは原則的にICT を活用する「デジタルファーストの自治体」
だというメッセージを強力に発信していただき、NTTだけでなく様々な企業や研究機関と
連携体制の構築を求めます。

SDG
市長公室長からは「誰一人取り残さない社会の実現」を理念としたSDGsの視点を持って施策を推進し、様々な部局と連携し、経済、社会、環境の各側面における更なる相乗効果を発揮しながら、SDGs達成に努めていくとの答弁がありました。

B型の作業所で働く障害者の方々は一ヶ月の賃金が全国平均で約1万円。
僕はこういった現状を変えるために「障がいを乗り越え国と地域に貢献」をテーマに
障害者の仲間や中学生時代からの親友と小型家電リサイクル事業を進めてきました。

これは、資源が少ない日本が輸入しているレアメタルが使用後はまた海外に流出しているという
現状を変えて、障害者の仲間の力で手バラシしてレアメタルを取り出して日本の商社に売却。
それにより、レアメタルを国内循環させるとともに賃金を上げて生きがいを見つける。
さらに、手バラシでほぼリサイクルするのでほとんどゴミも出ない。

堺市からパソコンが欲しいわけでも、協力を求めてるわけでもなく、ただ認めて欲しい。
しかし、この取り組みを竹山市長や担当部局と話をしても取り付く島もない。
でも、あきらめずに行動してきた結果、他の多数の市町村や施設では推進していただいています。
また、中小零細から誰もが知るテーマパークや印刷機器メーカー、エアコンメーカーからも
協力していただいています。
こうした取組はSDGsの理念である「誰一人取り残さない社会の実現」につながるものと
考えています。今後は堺市もSDGs達成に向けてこの事業を認めていただきたいと思います。

最後に
財政局長から堺市の財政状況をお聞きしても、社会保障費の増加により楽観視できるものではない
とのことですが、これは堺市だけでなく少子高齢化や人口減少によってどこの自治体もギリギリの
財政運営を強いられております。

また国全体で支出が増え続ける中で交付税の配分も財政シミュレーションの前提通りにいくかも
不透明な状況です。

そんな中で税金を使ってハコモノを建て、そのハコモノを役所の外郭団体が税金で管理をする。
また効果の見えない補助金事業で税金を浪費するような古い政治では、
まちの自力による発展は見込めず、むしろますますまちの自力が弱っていく可能性もあります。

これからの行政は単なる税金の分配だけではなく、民間活力も公に活かす仕組みを作り、
新たなアイデアを生み出し、行政効率を上げなくてはこの国は立ち行かなくなります。

これまでの行政スタイルからの脱却を時代は求めています。

現在の東京に一極集中している現状を変えるため、大阪が輝き、堺が輝き、各地域が輝き、
個々の輝きを日本中に広げることで国が抱える問題解決につながると信じています。

産業政策においては製造業を中心としたピラミッド型の産業構造から技術革新によって
堺市内の企業が輝きを放てるように。
観光では、今日、例えに出した北野田をはじめ、各地域が輝けるように。
ハコモノの在り方や、ICT推進による業務効率化では納税の納得感が得られるように。
そして、SDGではすべての人が輝けるように。

そのために大阪維新の会は行政機構の改革を含めた挑戦を続けております。

本日取り上げた「一燈照隅 万燈照国」という最澄の言葉は、一隅を照らす人が増えていき、
万のあかりとなれば、国全体を照らすことが出来る。という考え方の言葉ですが、
昭和歴代首相の指南役を務めた安岡正篤氏は「一燈照隅 萬燈遍照」と遺しました。
これは、あれこれ論じるよりも、まずは自分がいる場所を明るく照らせる人間になれ、
という行動に向けた言葉です。

その言葉にならい、
僕は一人の堺市民として「一燈照隅 萬燈遍照」の精神で光が広がるように努め、
誇れる堺を次世代に引き継ぐために力を尽くしていきます。

以上で僕の代表質問を終わり、次の質疑者へとつないでいきたいと思います。
ご清聴有難う御座いました。

以上が今回の代表質問です。
この続きの細かな部分と追及は次回予定している予算委員会の総括質疑でおこないます。
最後までお読みいただき有難う御座いました。

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